はてしなきひらひら

尾ひれが沢山付いてるけれども、言いたいことは、多分シンプル。

ネバー・エンディング・クソッタレ

 

   1

 九時間続きの悪戦苦闘の末、上書き保存の失敗で、文書データが蒸発した。

 

 こう言う時に使うのだろう。

 クソッタレめ。

 

  2

 普段口にしない言葉だから、使ってみたところであんまりすっきりしない。

 もやもやする。

 

 ああ、クソッタレめ。

 如何にもならない。

 

  3

 いい加減自分は、こう言う時に如何言えばいいのか分からない。

 

 カマトトぶってもしようがない訳だが、然し、言って書いて気分も晴れないのでは、言うだけ無駄な気がする。

 

 でも、これだけあーだこうだ書く手間も、唯一言

 

 クソッタレ

 

で済ませられるなら好都合だろうと思う。

 

 あー、クソッ。マジクソ、マジ最悪だわー

 

真似では如何にもならないようだ。

 

  4

 本心から、「クソッタレ!」と叫べたのなら、言葉通り、肚の中に溜まったものもすっきりするかもしれない。

 

 御呪いとしての「クソッタレ」の効果を信じなくても、言うだけ気が楽になるようであれば、毎日、欠かさず繰り返しておけばいいのだろうか。

 

 困った時に唱えればいいのだろうか、 取り敢えず「クソッタレ」と。

 

  5

 クソッタレ

と言えるならば幸いである。

 何か言いたいのに、其れが言葉にも出来ずに、其れで余計に腹立たしくなる虚しさも、

  クソッタレ

で片付けられるなら、思う存分、叫びたいものだ。

 

  6

 言葉に出来ないので、全部、気持ちを

  クソッタレ

の一言で表現する。

 

 多分、そうしたら此の世はクソ塗れだ。

 でも、其れで良いのかもしれない。

 語る事も童の如くなりしが、人となりては童の事を捨てたりもしたから苦しむのであれば、童心に帰り、大合唱するのも良いかもしれない。

 其れが出来ないから苦労しているのだけれども。

 

  7

 歌を忘れたカナリヤも、クソッタレと言ったか知らない。

 其れを聞いて、捨てるのを飼主が止めたのかもしれない。

 

 何か言おうとして、其れが上手く表現出来なくて

  クソッタレ

の一言になるとしたならば、

  クソッタレ

は、此の世の真理も言い表わしているのか知らん。

 

 百万遍の歌よりも、クソッタレと一言呟く方が真理に到達するかもしれない。

 然し、其れが限界であろう。

 だからこそ、もう其れ以上に言い表わし得ないのだ。

 

 嗚呼、クソッタレ。何という事だ。

 

 8

 

 何とかクソッタレを言わない様に生きている自分だけれども、そうやって来て今まで何一つものを言えた試しがない。

 

 そんな自分の悩みを、平気で人は吹き飛ばすかの様に叫ぶのだ。

 

 クソッ!

 クソッタレ!

 

 「嗚呼、もう如何してくれようか」

と耳にする度、目にする度考えてしまう。悔しいったらありゃしない。

 

  9

 一言でいいから、確かに意味に対応する言葉を掬いたい。

 然し、其れさえ不可能ならば、 其れが私の「クソッタレ」である。

 其れが私の限界なのだ。

 

 クソッタレが!