2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ティム・バートンの映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を見た。偶々、有線放送でやってたから観たが、そうでもなかったら観ようとも思わないジャンルの映画だったので、存外新鮮で素直に面白かった。観ようと思って観た訳ではなかったから、深く考…
(G.Moreau,1865) アニメ『スクイズ』最終回、最後のシーンはギュスターヴ・モローの手による『オルフェウスの首を抱くトラキアの娘』(1865)のオマージュなのだーーと見立てられたなら、差し当たりその生首がカバンの中から文字通り顔を覗かせる唐突な登場も…
2000年代後半に、専らアダルトゲーム界隈のスラングであった「ヤンデレ」は、アニメ『スクイズ』の一件から、2010年代初頭にかけてじわじわと或る層に水平的に伝播していった、と考えられている。 語の発生時期自体は、2000年代の前半であると考えられており…
口裂け女の 「ワタシ、キレイ?」 と、輿水幸子の 「ボク、カワイイ」 には、雲泥の差があるようで実はないーーというのが筆者の見解である。 カワイイにしてもキレイにしても、それは他者から下される価値である。 鏡という道具が身近にあると、つい忘れて…
未来志向の空想科学があれば、過去志向の隠秘学、錬金術がある。暗澹たる未来世界も、旧き佳き時代という幻想も、共に現在に対する深い失望に起因している。即ち、現実の延長線上にある可能性としての未来は碌なものではないし、少なくとも過去に於いてはこ…
今朝方の夢についてである。 今では「東京駅」と呼ばれる、一帯の地域について、嘗ては「戸山」と言ったそうである。 「戸山」の後、「戸塚」に変わったそうだが、これは横浜の地名と被ると言うので、再び「戸山」になった。 訪ねた時、壁になっていた老人か…
現実と虚構を論じるために、その両者を論じる前提となる、共通の「場」が必要である。 ならばーーと、その場の性質について、考え始めて早くも一年が経過した。 『シン・ゴジラ』の話である。 何をか言わんとしてはその度に失敗する。言葉足らずは相も変わら…
目の前に道がある。そして、今正に、その「とうげ」に差し掛からんとしている。 「とうげ」とは「さか」の頂であり、「さか」とは盛り上がった丘のことである。「とうげ」は、「さか」の、上りと下りをへだてる境である。 「とうげ」は、登る時「たお」と呼…