はてしないひらひら

尾ひれは沢山付いてるけれども、言いたいことは、多分シンプル。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

異世界の風(転載)

「遠くへ行きたい」という欲動は、文学の深淵から絶えず吹き上がる突風である。 ところで、そんな欲動とは別に、その場に留まろうと欲する気持ちもまた、地上には存在する。 上野のパンダの檻の周りを想像してみれば能くそのことは分かるだろう。 早く見たい…

ヤンデレ研究(3)――「みーまー」

漸く、ここからが本論の様な気がするが、しかし肩肘張ってやろうと思うと失敗しそうなので、あんまり意気込まないように気を付けたい。 先の空虚な器という話は、入間人間の「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」に於いては「みーくん」という名前で登場する…

ヤンデレ研究(2)――「ポンペイ夜話」

前回の続きだが、「菊花の約」で武士がヤンデレ臭い、と筆者が述べたのは、友人との約束を守る為とは言え、それを守る上で武士らしさを追求した点にある。 そこで、今回からは「らしさ」という観点から、ヤンデレ(者)について考えていきたい。 また、今回…

ヤンデレ研究(1)――「青頭巾」「菊花の約」

「痘痕も靨」というのは、決してヤンデレ状態にある人――以下、ヤンデレ者という――を揶揄して言っている訳ではなかろう。 では、ヤンデレ者とは何者で、どんな有り様なのだろうか? 無計画に、研究してみようと思う。 今回は、上田秋成『雨月物語』の「青頭巾…